5月28日(火)の本会議では、木内 秀一議員が公明党横浜市会議員団を代表して、一般質問いたしました。
以上、山中市長、大久保副市長、下田教育長、山岡水道局長、三村交通局長に質問いたしました。
平成26年に、議会で提案、制定した「横浜市子供を虐待から守る条例」は、こどもへの体罰禁止や、こどもが権利主体であることなどを盛り込む改正も令和3年に行いましたが、児童虐待の件数は増加から高止まりの傾向にあります。
特に昨今は、生まれたばかりのこどもへの虐待が多いと聞いており、このような事例を防ぐためには、妊娠中の早い段階から必要な支援につなげていく取組が重要と考えます。
こどもの権利侵害の最たる例である児童虐待については、先日訪問した児童家庭支援センターを含めた体制強化のみならず、地域全体でこどもを育む意識が醸成されるよう、多方面からの取組が進むことも期待します。
ひと口に不登校といっても、部活に参加するためには学校に通える子もいれば、全く足を運ぶことができない、家から外出することもできないなど、子どもたちの状態は様々であり、今回の補正予算案では校内ハートフルの中学校全校実施が提案されるなど、本市はこれまでも不登校児童生徒支援事業に取り組んできたことは承知していますが、不登校の子ども一人ひとりに合った支援を実施することが重要と考えます。
どのような状態にあろうとも、全ての子どもが希望を持てる子育てができるよう、全市的に取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。
令和6年第1回定例会の予算関連質疑でも、我が党の中島議員から市大の研究支援について質問しましたが、国立研究開発法人 科学技術振興機構の大型補助事業に採択され、昨年度より10年間の支援を受けて進めている「若者の生きづらさを解消し、高いウェルビーイングを実現するメタケアシティ共創拠点」の研究は、若者の生きづらさに対し、社会としてどう支え、どう解決していくかをテーマとしています。
市大の研究が、生きづらさを抱える若者の支援に活かされることを期待します。
本市においても単身高齢者世帯の割合は年々増加しており、昨今の報道等でも取り上げられている、「身寄りのない高齢者等」への支援が喫緊の課題になっています。
本市も、2040年には市民の3人に1人が65歳以上になると推計されていますが、誰もが安心して、幸せに齢を重ねられる社会の実現を目指して頂くことを要望します。
本市のがん検診は、コロナ以前の受診状況に戻りつつあると聞いていますが、第4期計画が目標とする受診率60%には届いておらず、更なるがん検診の推進は必要です。
特に受診率の低い子宮頸がん検診については、この2月に国において新しい検査方法としてHPV検査単独法が認められ、4月からは自治体ごとに選択できることとなりました。
日本人の2人に1人は、かかると言われるがんについて、これからも積極的に「科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実」に取り組んでいただくことを要望します。
横浜市歯科保健医療センターでは、夜間・休日の救急歯科診療などのほか、障害児・者の歯科診療も実施しています。
この障害児・者の歯科診療については、地域の歯科医療機関では治療が困難な方を対象に治療を行っていますが、場合によっては全身麻酔も伴うことから、待ち期間が数か月に及ぶなど、改善を求める声が歯科医療関係者も含めて多く寄せられています。
障害児・者の歯科保健医療の充実に向けて、センターの増設も含めて是非前向きな検討をお願いします。
今年1月1日に令和6年能登半島地震が発生し、道路、電気、通信などの他、水道施設も甚大な被害を受け、多くの地域で長期にわたり断水が発生しました。
こうした被災地の状況は、連日報道され、多くの市民が不安に感じるとともに、暮らしに欠かすことのできない生活インフラである水道の大切さ、及び災害対策の重要性を改めて感じていると思いますが、水道局ではこれまでも様々な災害対策を進めてきていると聞いています。
将来を見据えた水道施設の最適化を推進し、引き続き災害に強い安全・安心な都市づくりの実現に向けて取り組んでいただくことを要望します。
私は前職で熊本地震の際に現地で被災者支援を行った経験がありますが、我が党も防災・減災を最重要課題の一つとして捉え、これまでも様々な要望をして本年度は全ての地域防災拠点に液体ミルクが配備されるなど、本市の防災・減災対策を推進してきました。
能登半島地震では、スポーツセンターや、旅館・ホテル等に被災者が避難していましたが、これらの新たな避難生活のあり方も参考にしつつ、既存の枠に捉われず、自助・共助・公助の取組がトータル的に進み、誰もが取り残されない防災対策が確立されることを要望します。
救急自動車の整備指標については、令和5年9月にそれまでの必要台数であった85台を92台に見直しましたが、現在の状況を踏まえると、整備指標の充足に向け、不足する7隊の増隊を早期に行うべきと考えます。
救急体制を充実させるためには、それを支える人材を確保していくことが重要と考えます。
持続可能な横浜の発展のため、市民生活の根幹を支える救急体制の充実にむけた各種施策を着実に進めていただくことを要望します。
今年度、本市では、手続のオンライン化を順次進め、市民の利便性を向上させる取組を着実に進めていますが、こうしたオンライン化の効果をより一層高めていくためには、行政内部の業務効率化もあわせて取り組む必要があります。
内部業務にかかる時間を短縮し、真に職員が行うべき市民サービスに振り向けていくことが重要と考え、私はかねてより、少子高齢化、労働人口の減少、社会ニーズの多様化といった社会情勢の変化に、本市がしっかりと適応していくためには、デジタル技術を活用した内部業務の効率化が必要不可欠と訴えてきました。
引き続き、横浜DX戦略に基づきしっかりと取組が進められることを期待します。
本市では、定期的に交通量調査を実施しております。我が党としては、少子高齢化による労働人口の減少に適応していくため、交通量調査においても、デジタル技術を活用して効率化すべく、計測から分析までAIを活用した交通量調査を推進していくべきと要望してきました。
引き続き、実用化に向けて取り組んでいただくことを要望します。
4月1日に職業ドライバーの長時間労働を防ぐ目的として改正された、いわゆる「改善基準告示」が施行されましたが、この改正に伴い特にバス運転手については、勤務時間が短縮されたことで労働条件の向上は図られた一方、働く時間が短くなったことにより、現状のままではこれまでのバスの便数の運行を維持することは困難な状況にあります。
地域交通の更なる充実に向けて、着実に取組が進み、市内各所で市民の皆様の足がしっかりと確保されるよう期待します。
相鉄線鶴ヶ峰駅付近の連続立体交差事業は、鉄道を地下化して連続する10か所の踏切を除却するものであり、交通渋滞や事故の解消はもちろんのこと、鉄道によって分断されていた地域の一体化、安全な通学路の確保や消防・救急などの緊急車両の円滑な通行、更にはまちの活性化など、様々な効果が期待されます。
鶴ヶ峰が、より便利で賑わう郊外部の拠点となっていくよう、全力で取り組んでいただくことを要望します。
本市では、地球温暖化対策実行計画を策定して2030年までの温室効果ガス削減目標を2013年度比で50%削減とし、2050年にはゼロカーボンを実現できるよう取り組んでいますが、2021年度の排出量は21%削減であり、2030年の目標を達成するには、今後更なる脱炭素化を進める必要があります。
全庁一丸となって、率先した脱炭素の取組を示すとともに、市民一人ひとりの脱炭素へつながる行動を後押し、脱炭素社会の実現に向けた取組を強く進めていただくことを要望します。
私は、令和3年第4回定例会でも、本市の人口が減少に転じることを踏まえ、持続可能な都市経営に向けた戦略について伺い、市長は、人や企業を呼び込み、経済を活性化させることが重要との認識を示されました。
その後の2年間で、市長は、財政ビジョン、中期計画等を策定し、持続可能な都市経営に向けた取組を進めてこられましたが、特に、財政は市政の土台となるものであり、持続可能な都市経営に向け、その健全性を確保することは大変重要です。
先日、公明党市議団で、被爆地広島を訪れ、広島平和記念資料館に足を運びましたが、そこでは、海外からの見学者がとても多く、「平和」に対する意識が国際的に盛り上がっていることを強く感じ、本日、横浜市の国際平和に対する取組を伺うに至りました。
横浜市に暮らす約11万人もの外国人が、日常生活において文化的背景の違いなどによる不便や生きづらさを感じることなく、互いの考えを認め合う社会をつくるためには、国際交流ラウンジなどでの日ごろからの対話や交流の機会が大切と考えます。
「平和」は一朝一夕に築きあげることができるものではなく、国と国との国際的な外交のみならず、市民レベルでの交流、『民際』が非常に重要と考えますが、横浜市は、姉妹・友好都市交流や市内小中学校とアフリカとの交流、市内企業の技術力を生かした公民連携による新興国への国際技術協力など、多角的に平和構築に取り組んでいます。
紛争、飢餓、気候変動など、地球上であらゆる課題が山積している今、未来を担う若い世代を、これらの課題を自分事ととらえ、グローバル社会で、リーダーシップを発揮できる、また、世界のあらゆる人々と協働できるような人材へと育成して、横浜から世界で活躍する若者を増やすことは大変意義のあることだと考えます。
誰ひとり取り残さない世界の実現に向けて、次世代を担う子どもたちが、国境を越えて手を取り合うことが、希望ある平和な未来に繋がっていくことと信じて、公明党議員団を代表した私からの質問を終わります。